心停止後症候群に効果がある先進医療として、
水素ガス吸入療法が2016年11月30日に厚生労働省の
先進医療Bに承認されました。
これは世界初となる画期的な医療法としていま大変
注目されています。
ちなみに先進医療Bというのは、先進医療Aよりも厳しく
審査されるもので、医療技術の安全性や有効性等が
厳しく審査されます。
心停止後症候群というのは、病院外で突然に心停止に
陥ったとき、救急蘇生術によって心臓は再び動き
出したけれども、脳をはじめとする臓器の機能が
損なわれてしまった状態のことを言います。
心停止後症候群になると、場合によっては寝たきりや
植物状態に陥るなど高度の障害が残ってしまうこともあります。
これを防ぐために、これまでは低体温療法(体温管理療法)と
呼ばれる集中治療を行い、脳のダメージを少しでも抑える
方法が取られてきました。
しかし、これだけではどうしても限界があります。
そこで低体温療法にプラスして、この水素ガスを吸う療法を
取り入れることで、脳が酸素不足になることで生じた
ダメージを軽減させることができます。
その方法は爆発の恐れのない2%の水素を、ゆっくり18時間
かけて吸っていきます。
まだ確立された治療法ではありませんが、心停止後症候群から
回復して社会復帰を果たせる人が増えることが期待されています。
水素ガスには様々な病気や病状に対して良い効果があるという
ことが言われてきました。
動物実験などでもその効果の高さが実証されています。
ただ人間に対しては、実際に良い効果があるのかどうかに
ついては、様々な意見があります。
きちんと実証された科学的データが乏しいのです。
そこで今回、20医療施設、360人の患者を対象として
実証実験が行わる予定です、
もし今回この水素ガス吸入療法が確立されることになれば、
大きな転換点を迎えることになるでしょう。
というのは特に大掛かりで特別な装置を必要とせず、
簡単でありながらも大きな効果を期待することができるからです。